業務報告はキスのあとで
「平岡さんたいへ〜ん」
「やっぱり新人さんなんかに仕事任せちゃうからじゃないの?」
木村さんをはじめ、堂島さんや牧野さんまでもが平岡さんを責めるようにそう言い出す。
「っ……」
この状態に私は何も言えず、ただ、強く下唇を噛むことしか出来ない。
私のせいで平岡さんまでもが悪く言われてしまっている。その事実に私は悔しさと罪悪感に見舞われていた
しかし、それと同時に
平岡さんは私が残業して資料作っていたことを知ってくれているんじゃ……と、少しの希望を持ったのだが
昨日、ちゃんと完成させた資料を平岡さんにチェックしてもらっていなかった為やはり平岡さんも私が資料を完成させていたことは知らないであろう。
…………と、いうことは
「小松さん、資料どうしたの?」
「昨日……ちゃんとデスクにしまっておいたんです、けど……無くしてしまいました。すみません」
「まあ……もう会議始まっちゃうし間に合わないから、このまま行こうか」
………やっぱり、平岡さんも私のことなんて信じてくれるわけがないんだ────。