業務報告はキスのあとで
半信半疑
* * *
「───っ……く……う」
泣くな
泣くな
泣くな。
そう思っているのに、そう思えば思うほどに止まらなくなる涙。
会議は上手くいったのだろうか。
重要な会議だと平岡さんは言っていたけれど、それが私のせいで失敗していたら……
どうしても悪い方向にしか考えられない私は、完全にネガティブな無限ループへと陥ってしまっていた。
オフィスでの、冷たくて痛い程に感じる視線。
私はそれに耐え切れず、ここ……非常階段までやって来たわけだけれど……
これって……仕事、サボっちゃってるってことだよね?
「っ……うー……」
ああ、ダメだ。こんな風にいつまでも泣いてないで戻らないと。
止まれ、止まれ。もう泣くな、私。
そう自分に何度も言って聞かせ、唇をギュッと噛む。