業務報告はキスのあとで
「……本当に、すみませんでした」
その冗談の真意は〝優しさ〟なのかもしれないと、そう思った。
「はは、何言ってんの。胡桃ちゃんのせいじゃないのにさ」
「え……」
「俺、ちゃんと知ってたよ。胡桃ちゃんが無くしたわけじゃないって」
胡桃ちゃんはちゃんと頑張って仕事してたよ。ありがとう。と、付け足した平岡さんの言葉に、また熱くなる目頭
「胡桃ちゃんは悪くないから」
そう言って私の頭をまた優しく撫でる平岡さんのことを私は苦手だ
そして、嫌いだった………はず。
それなのに
「私……平岡さんが、分からないです」
平岡さんは、良い人なのか。
それとも、やはりただのお調子者か。
平岡さんを、信じていいのか。
それとも、信じないべきなのか。
私は平岡さんのことを勘違いしていたのかも、だなんて、迷い始めている。