業務報告はキスのあとで

結局、私に選択権なんてないじゃないか。強制的すぎる。


と、心の中でブツブツと言いつつも、私は平岡さんがビニール袋からケーキを取り出すのを大人しく待っていた




「チョコとショート、どっち派?」


俺はね、チョコ派。なんて笑う平岡さんは私にショートケーキを選べと言っているのか。何なのか。


「遠回しにショートケーキ選べって言われてるみたいなんですけど」

「ははは、嘘嘘。どちらでもどうぞ」



……また私をおちょくってきたのか、この人は。


若干おちょくられたことに腹を立てつつも私は「ショートケーキで」と、答える。


これは気を使ったわけでも何でもなく、ただ、本当にショートケーキの方が好きだったから

< 87 / 350 >

この作品をシェア

pagetop