業務報告はキスのあとで
結局、私に選択権なんてないじゃないか。強制的すぎる。
と、心の中でブツブツと言いつつも、私は平岡さんがビニール袋からケーキを取り出すのを大人しく待っていた
「チョコとショート、どっち派?」
俺はね、チョコ派。なんて笑う平岡さんは私にショートケーキを選べと言っているのか。何なのか。
「遠回しにショートケーキ選べって言われてるみたいなんですけど」
「ははは、嘘嘘。どちらでもどうぞ」
……また私をおちょくってきたのか、この人は。
若干おちょくられたことに腹を立てつつも私は「ショートケーキで」と、答える。
これは気を使ったわけでも何でもなく、ただ、本当にショートケーキの方が好きだったから