いいお嫁さん、やめてもいい?

「うん。お義父さん、なかなかこっちに来られないと思うから、お持ち帰り用に泰海のミニアルバム作って渡そうと思って。あとカメラで撮ったお食い初めの動画をDVDに焼いて、今日撮る泰海とお義父さんのツーショット写真も最後のページに入れたいなあって思ってるの」

「へえ。手が込んでるな。じゃあこれ、まだ当分終わらないよな……?」


そう訊いてくる法資の声がいくらか遠慮がちだったことには気付かず、目の前の作業に夢中のわたしは頷いた。


「うん、もうちょっとかな?とりあえずあと残り1頁分写真選んだら、印刷は終わりなんだけど……」


印刷した写真をアルバムに並べつつそんな説明をしていると。不意に法資が背後から腕を伸ばしてきて、わたしを囲むように壁に手を突いてきた。正面の壁と、背後の法資との間に挟まれてしまい、いっきに作業スペースがせまくなる。

あまりに唐突すぎて、なんのリアクションも取れずにプリンターを操作し続けていると、法資は無言のままわたしの背中にぴたりと体を寄せてきた。


「……法資、どうしたの……?」


甘えてくるような法資に思わず訊いてしまう。

急ぎの作業を中断させられたのが嫌だったからじゃない。ただあまりに急なことだったからちょっと驚いて、ちょっとどきっとしてたのだ。

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