オークション!!~五億円で買われた私~

道の隅では、朧車が、

カタカタと笑っていた。


小雪が、それを見て、

"あれは何?"と聞きながらクスリと笑った。



その瞬間、ふわっと懐かしいものが一気に込み上げた。



「………好きだ。小雪。


何年経っても。」



気がつくと俺は、無意識に小雪を抱き寄せていた。



小雪は、俺の頬に手を当て、

優しい笑みを浮かべた。



「…私もよ。」


「……これからは、ずっと一緒だ。」


「ええ。ずっと。」



………俺達は数年振りのキスをした。






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