雪の降る夜に
「なっ、いいだろ?だからさー…」
男が腕を伸ばし私の腕を掴もうとした。
その時…
「悪いけど、その子俺の彼女なんだよね。……手、出さないでくれる?」
「あぁ?…って、か、門田颯太!?何でお前がこんな所に!!」
「だから、俺の彼女…わかる?」
「ひっッ…」
突然現れた男に肩を抱かれた。
そして、そいつを見た男は顔を真っ青にして逃げていった。
……走り方キモっ。
「大丈夫?」
「……あっ」
あん時のメガネだ。
そう、私の肩を抱いてにっこり笑うその男は昼間学校で会った赤茶のメガネだった。
「えっとぉ、さっきの人ですよね~?」
「うん、そうだよ。俺門田颯太、よろしくね?」
「助けてくれてありがとうございましたぁ〜、あの人しつこくて困ってたんですぅ」
「やっぱり?俺もそう見えたからね。間違えてたらって思ったけど、良かったよ」