雪の降る夜に
ふーん、なるべく笑顔は崩さないでいたんだけどな。
「おい颯太、そいつ誰?」
と、メガネの後ろから出てきたのは赤に黒メッシュの目つきの悪い男。
「祥太。いや、この子が困ってるように見えたからつい体が動いちゃって」
「お前はお人好しすぎるんだよ」
「そうかな?普通だと思うけど」
私の事なんか目の端にも入れないで話し始めた2人。
…今のうちに
と、人混みに紛れて逃げようとしたとき。
ドンッ…
「っ、……いっ、た〜」
「……」
「あれ?君確かさっきの…」
「え?」
ぶつかった衝撃でヒリヒリする顔を上げると、赤茶のメガネが追い掛けてたクリーム色の男が立っていた。
その後ろにはもう一人、背の高い男がいた。