あと2分のクリスマス。
「…え?」
今まで聞いたことのない箕島の声に、思わず笑うのをやめた。
「え、なに、箕島?」
「…流されてなんかねーよ。
そっちはそうかもしれないけど…俺は違う。俺は…」
ドキン、と心臓が揺れる。
…嘘でしょ
……違うよね?
「…中は「箕島」
思わず呼び止めた。
聞きたくなかった…
聞くのが怖かった。
「私たちずっと…友達だよね?」
箕島が、電話の向こうで息をのんだのが分かった。
そして、少しして深い、ため息。
「…中原。
おまえ、最低だな」
そして電話は切れた。