あと2分のクリスマス。
その時、手の中のスマホが震えた。
…箕島っ!?
慌てて画面に視線を落とすが、そこに表示されていたのは、大学の女友達の名前。
「…もしもし、怜奈(れいな)?」
「美冬!?
あんた野崎と別れたってホント!?」
キーン、と甲高い怜奈の声が頭に響く。
もう情報回ってるんだ。
ったく、一体どこから…
「…ホントだけど」
「そっか…大丈夫?美冬」
「…うん」
信じられないことに、怜奈からの電話で思い出した。私失恋してたんだって。
…彼氏にフられた昨日以上に。
なんだか今私、カラッポだ。