あと2分のクリスマス。
「…嘘だろ」
そう言うのと同時に強く引き寄せらて、ドクン、と心臓が揺れた。
「…嘘じゃないよ」
顔をあげて箕島と視線を合わせれば、その瞳には真っ直ぐ、私だけが映ってる。
それがなんだか無性に、嬉しくて。
「…大好き」
チュッとその額に、キスをした。
「………」
なぜか無言の箕島。
「………」
私も今更ながら急激に自分のしたことが恥ずかしくなり、無言。
…だって今、私。
じ、自分から、キス…!!
「…あの、じゃぁ私帰っ」
「バカかよ」
立ち上がろうとしたら、グイッと箕島に手首をつかまれて
そのまま腕の中に閉じ込められた。
「…あんな可愛いことされて、誰がこのまま帰すかよ」
「…え」
そ、そ、そ
それってつまり…!!
「…でも」
箕島はため息混じりに立ち上がると、私も一緒に引っ張り立たせて
「…今日のところは勘弁してやる。
昨日死ぬほど後悔したからな。
これからは死ぬほど慎重にいくって今決めた」
「…そ、そっか。
あ、ありがとう…?」
何て言えば良いか分からなくて、とりあえずお礼を言った私に、ブッと噴き出す箕島。
そして悪戯っぽく笑うと、ギュッと私の手を握って。
「とりあえず、ケーキでも買い行くか!」