激愛
周りを見渡すと入学式事態はもうすでに終わっていて皆は後方から聞こえてきた歓声に釘づけだ




男の子も女の子も一斉に二人組の一際背の高い男子に駆け寄って行く



悲鳴ともいえるような歓声が体育館中に木霊していた



「龍一さ~ん!!こっち向いてくださ~い」



「総一郎さん!きゃああああ」



「総長!俺も神龍に入りたいっす!」



みんな口々に色々なことを叫んでる



中には抱いてだの彼女にして~だのそんなのもあったりする




なんなのよまるでアイドルじゃん



この人たちと関わると平穏な高校生活は送れそうもないな




まあ見たところあの人たち上級生だしあたしとの接点は仙台での事のみ




極力関わり合いになるのはよそう・・・・でもあの男、同じ高校だったんだ



っていうかなんて偶然・・・・まあどうでもいいや、あんな恩知らずな礼儀も知らない奴




人がせっかく助けてやったのにあの態度!もう逢うこともないと思ってたのに・・・・




ちらりと大勢のひとに囲まれてるあいつを見つめる




あたしは視線を逸らすと立ち上がり足早に歩き出した




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