激愛
あっ・・・あの男!無視しよう・・・・なるべくもう関わり合いになりたくないし



あたしは俯き加減であの男から目を逸らすと桃ちゃんの手をそっと握りしめた




「瞳・・・・?」  「は、早く行こう・・・・」



桃ちゃんの手を引っ張り歩き出そうとしていたあたしに低音の低い声が耳に入ってくる



女の子のきゃあきゃあ言ってる声にかぶっていたけれどその声は妙に響いてあたしの肩がぴくりと波打った




「おい・・・・矢追瞳」




・・・・ん?えっ誰か呼んだ?



ゆっくり顔を上げると金髪になったあの男と目が合う



大勢の女の子に囲まれているあいつと総長さんはもうハーレム状態



でも女の子が何かを話しかけられてもすべて無視しているあいつとは対照的に笑顔で受け答えしている総長さんが印象的




・・・・ってあれ?この人たち名前なんだったっけ?



そういえばあたしの名前呼ばれたような?気のせい?




「お前のこと呼んだんだけど聞こえねえのか、瞳?・・・・」




「へ・・・?あ、あたし?」




驚きのあまり声が裏返ってしまったあたしの前にあの男がゆっくりと歩いて前に立つ
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