激愛
「そんなことしても無駄です、とにかく旧校舎に連れてこいとの命令ですので来てください」



「あっ・・・あの・・・一体あの人があたしになんの用があるんですか?」




「俺もわかりません、とにかく見つけ次第連れてこいとしか俺は聞いてませんので」




「・・・・・」



駄目だ・・・・この子に何言っても無駄だ



たぶんこの子神龍のチームの男の子なんだろうな・・・総長の命令は絶対って訳か



っていうか、訳も聞かずに無理矢理ってそれはないでしょ



こっちの都合も聞かずに・・・あいつはなんて男なのよ



こっちはこっちで今日は忙しいんだっつうのに




これはあの奥の手を使うしかないか・・・・使いたくはなかったんだけど仕様がない



あたしは腕を引っ張り前を歩いていた男の子に声を掛けるとにっこり微笑んだ



「ねえ・・・・ちょっと待って」



「は・・・なんですか?」



ぴたりと立ち止まった男の子にゆっくり近づくとお互いの鼻先が触れそうなくらいまで近づく



彼はよほど驚いたのかあたしの腕を掴んだまま固まっている




あたしは彼の頬にゆっくり手を滑らせると頬に触れるか触れないかくらいのキスをした







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