激愛
「ひ・・・瞳さん?!な・・・なにしてんすか////」



彼はあたしの腕をぱっと離すと真っ赤になって後ずさりする



わあ~はじめて試したけどこんな反応するんだ



あの男ったらしの美由紀さんから聞いていた裏ワザ



なにか窮地に陥ったら色仕掛けでもいいからしてみなさいよ男なんて単純だからころっと騙されるわよ




・・・って言ってたけど、あたしにはこれが精一杯



これ以上は無理だし・・・・うろたえる彼の腕が離れた瞬間あたしは走り出した



彼が我に返って追いかけて来るのがわかったけど掴まるもんか



あたしはダッシュで裏門を抜けると大通りを走り抜けた



ここは人通りも多く車の通行量も多い



ここなら人の波に紛れて彼を撒けるよね



「はあっ・・・・く・・・苦しい」



どれくらい走ったんだろうふと見ると信号の先には大きな公園が見えてきた



喉渇いたなちょっとあそこで休もう



後ろを振り返っても彼らしきひとは見当たらないし・・・・



あたしは安心しきっていた、信号が青になって道路を渡りきるかきらないかくらいのところで
車が横付けにされた



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