激愛
有無を言わせずお・・・押し倒すって!



あ、あいつは一体なんなのよ?何の権利があってそんなこと・・・



あたしは呆然としながらその場に立ち尽くしていた



「あの女昨日新入生代表で話してたやつじゃない?」



「龍様と一体どういう関係なのよ」




「ちょっと綺麗だからって調子乗ってんじゃないわよ」



あたしはそんな言葉も確かに耳に入ってはいたけどあの男の立ち去る後姿に何故か目が離せなくて自分に対する罵詈雑言も耳に入ってはこなかった




魅入られちゃいけない・・・・こころを捕らわれてはいけない




男なんて、男の口から出る言葉なんて信じちゃいけない



信じたら最後自分が傷つくだけ・・・・



傷つくのがわかっているなら壁を作るしかない



あたしは鎧にも似た丈夫な壁を作る、自分を守るのは自分だけだから・・・・



ふと心を過るのは寂しげな表情の母と幸せだったころの母




どちらも同じ母なのにあたしにはまったく違う人物に思えて仕方がない




お母さんは幸せだった・・・・?そんなことを自問自答しながら教室へと足を進めた




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