激愛
あたしのこの選択により自分は元より周りも変わってしまうことなど思ってもいない



この時に違う選択をしていたなら・・・・あなたの仮彼女になっていなかったら・・・




すべては全部神様が仕組んだこと?



もしそうなら神様に感謝を・・・愛するということを教えてくれた龍に感謝してもしきれない



そう思うのはもっとずっと先のこと・・・



この時のあたしがすでに龍に捕らわれてしまっていることなど思いもしない



あたしはただひたすら軽いバイト感覚で半年間を乗り切ろうと意気込んでいた




でも、そんなあたしの考えが甘かったんだと思うのはすぐのこと



自分が思っているよりも神龍初の姫という重責は相当なもので・・・・




能天気に考えていた自分を呪ってやりたい



龍のマンションに入って行くあたしを他の族の連中が見ていたなんて・・・



既にあたしの写真が出回っていたなんて思ってもいない




その写真を見て朱実さんがにやりと微笑んでいたことなど知る由もない



「神龍初の姫?ふふっ笑わせてくれる・・・・」




そう言ってぐしゃっと握りつぶした写真



彼女の不敵な笑みは何を思うのか、あたしは仮の彼女を演じることだけを思いながらきゅっと唇を噛み締めていた








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