激愛
今運転手さん・・・龍さんのこと坊ちゃんって言ったよね?



もしかして龍さんっていいとこの坊ちゃん?



ぱっと見にはそうは見えないけど・・・・あ~こんなこと言ったら怒られるかな



走り去る車を見つめていると既に前を歩きだしている龍さんがあたしを呼ぶ



「おい!置いてくぞ、早くしろ」  「あっ、うん」



返事をして駆け寄ると笑いを浮かべている龍さん



・・・・ん?どうしたんだろ何かおかしい?



「瞳って小さくってリスみてえだな・・・・」



「は?小さいだけ余計だし!身長なんて今からぐんぐん伸びるから関係ないもん」



「そんなに怒るなよ、別に今のまんまで俺は充分だと思うけど?つうか・・・お前危なっかしいからあんま走るなよ!転ぶぞ」




「転ばないし?どうでもいいけど子ども扱いしないでくれる?」



「子供扱いなんてしてねえし・・・・」



そう言って口角を上げたのをあたしは見逃さなかった



180センチ以上もある長身の彼が30センチ以上も差があるあたしの肩を不意に抱き寄せた



「な・・・なにす「子供だと思ってる女にこんなことしねえ・・・ほら行くぞ」



いつの間にか増えていたギャラリーから悲鳴にも似た声が聞こえる




抱き寄せられた大きな手が熱く感じられてならなかった
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