激愛
「お・・・お母さん!どうし・・・」



部屋に入るとパジャマ姿のまま花瓶を投げつけたのか水浸しの部屋が目に入ってきた




周りには向日葵が至る所に散乱していた




ふとお母さんの手を見ると割れた花瓶を手に持って悲しげな表情を浮かべている




お母さんは呆気にとられるお父さんを見ると口角を上げてにやりと微笑んだ




「あたし知ってるのよ・・・・あなたが浮気してること」




「・・は?なにを馬鹿な」




「恍けないでよ!あなたの部下だっていうあの女・・・妊娠してるのも知ってるのよ」




・・・え、妊娠?妊娠って・・・・



「ふふふっ・・・・ちょっと調べてもらったのよ、今5か月なんですってね?瞳、あなたの腹違いの兄弟が出来るわよ!」




腹違いの兄弟?それって・・・・お母さん以外の人にあたしの兄弟が出来るってこと?



な・・・なんで?なんでそうなるの?




お母さんを見つめるとお父さんを見つめて笑い転げたまま・・・・




笑っているのにこんなに悲しげに見えるのはどうしてなんだろう




あたしはその場に立ち尽くすしかなくて呆然とするばかりだった
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