激愛
そのまま歩いていると学校が近づくにつれ段々人が多くなってきた


あたしの肩を抱き寄せたまま歩く龍さんはまるで王者の風格



そんなことはものともせずに歩いている彼を遠巻きに見ている生徒たち



うちの高校は男子の方が多いから見ているのは圧倒的に男子が多かったりするんだけど・・・



女子もまるで動物園のパンダを見ているような状態で見てるし




「なんであの子と?」 「龍様の新しいセフレなのかな?」



聞こえてますけど?セフレ?はあ?冗談じゃない



好きでもないやつとそんなことする趣味はないし!




よほど怖い顔をしていたのか隣にいる龍さんが笑いを浮かべながら耳元で囁いた



「俺の女を演じるんだろうが・・・・!瞳は気にせず笑ってろ」



あっ・・・・そうだった彼女を演じるんだった



姫になるということは龍さんの女になるということ



期間限定の仮彼女・・・・ちくりと胸が痛んだのは気のせいだよね



あたしは時給千円で雇われた仮彼女・・・・完璧に演じなければ龍さんにも矢島さんにも迷惑がかかる




中途半端に演じていては足元をすくわれる、そう思ったあたしは満面の笑みを彼に向けた



その時のあたしと龍さんのやりとりが学校で話題となっていたこと




周りからみればイチャついているカップルにしか見えていなかったなんて知る由もなかった











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