激愛
それから教室に行ったあたしはみんなの注目を浴び質問攻め



なんでも龍さんは今まで彼女の影すらない人



でもあの容姿と神龍の幹部って肩書きのせいか寄ってくる女は数知れず




柔らかい雰囲気でまるで王子様のような風貌の矢島総一郎さんとは人気を二分しているらしい



誰も寄せ付けないような少し淋しげな影のある葛西龍一さん




そこがまた女心をくすぐるらしい・・・・のだ



「龍さんが特定の女をつくったなんて話は俺も聞いたことないなあ、まあたまに言い寄ってくる女を相手してるのは聞いたことあるけど」




「誠二君、龍さんってそんなにモテるの?」



「そりゃあモテるに決まってるでしょ?一番は総長である矢島さんだけど幹部の龍さんも黙ってても女が寄ってくるって感じだしまあなんてったって龍さんは森田財閥の御曹司でもあるしね~」





は・・・・?も、森田財閥?森田財閥ってあの森田財閥のこと?




「せ・・・誠司くん!それほんとなの?龍さんが森田財閥の御曹司って・・・」



驚くあたしにそれまで黙ってお弁当を食べていた桃ちゃんが箸を置くとあたしに向かって話し始めた



「瞳は知らなかったんだ?この学校では龍一さんはお母さんの姓の葛西を名乗っているけど森田財閥の御曹司だってことはこの学校ではもう公然の事実!内密にしているらしいけどもうみんなが知ってることらしいよ」



「そ・・・そうなんだ」



そんな事実を聞かされて龍さんに無性に距離を感じたあたし



遥か遠くに行ってしまったように思えて仕方がなかった


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