激愛
「で・・・でも」



「龍さんと約束してんでしょ?今日早速溜まり場に瞳ちゃん連れてくって俺聞いたけど」



た・・・溜まり場?溜まり場って神龍の本拠地?



あたし一言も聞いてないけど?暴走族の本拠地にあたしが?



っていうかあたしの意見も聞かずに連れて行くってどうなのよって気がしないでもないけど



「ねえねえ瞳ちゃんってなんかいい匂いすんね?それに小さくて抱き心地いいし」



「え?ちょ・・・ちょっと!いい匂いってあたしなんにも付けてないけど?それに忘れてたけどいい加減この手を離し「お前らなにしてる!?」



・・・・は?何故そんなに怒ってんの?



いつの間にか目の前にいたのは鬼のような形相をした不機嫌そうな次期総長さま




周りの生徒たちも龍さんのブラックオーラに恐れをなして後ずさりしてるし



ふいにあたしを抱きしめている喜一君の腕がびくっと震えたのがわかった



「喜一とそんなとこでなにしてんだって俺は聞いてんだけど?」




「あ~それはですねえあたしがこの人だかりに尻込みしちゃってたところを喜一君に掴まって・・・・」




「だからってふたりで抱き合う必要があんのか?」




「龍さ~んこれはさあ瞳ちゃんがあんまり可愛くてつい・・・」




そんなことをぽつりと言った喜一君の胸倉を龍さんはぐいっと掴んだ
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