激愛
「あっ・・・コーヒーくらいあたしが淹れるよ」



「大丈夫だ、インスタントコーヒーくらい俺だって作れる」



そう答えるとお湯を沸かしてマグカップにお湯を注いだ



コーヒーを淹れてるだけなのに一連の動作が自然でとても絵になる



思わず見とれていると目の前にコーヒーが差し出された



「ミルクと砂糖いるか?」  「あ、うん・・・ありがとう」




砂糖を少し入れてごくりと飲むとほろ苦い甘さが口の中に広がった



ほっと一息ついて周りを見渡す・・・・あれ?そういえば喜一君はあれからどうしたんだろ



車には一緒に乗って来てはいないし



「ねえ、そういえば喜一君はどうしたの?置いて来ちゃったけど」




「あ?あいつはバイクで来るっていうから置いて来た」




「大丈夫なの?ずいぶん遅くない?」



「平気だろ?どうせ女のとこにでも行ってんじゃねえの、そのうちひょっこり顔出しにくるだろ」



隣でコーヒー片手に雑誌を読みながらそう答える龍さん



ドアの外ではあの女は誰だ?龍さんの女なのか?と色々な憶測が飛び交い騒然となっていたなんて知る由もなく呑気にコーヒーをすすっているあたしであった



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