激愛

「なあ・・・ちょっと待てよ」



掴んだ腕により一層力を込めると彼はそう言った



赤い髪の短髪、耳には沢山のピアスが光る



あたしを見つめたまま彼は掴んだ腕を無理矢理引き寄せた



一瞬身体がよろけたけれどなんとか踏ん張って足に力を込めるとあたしはその場に留まった



「何するんですか？この手を離してください！」



「俺の言うことに答えてくれたら離してやる」




すると周りにいたメンバー達がぞくぞくと集まり始めた



たぶんあたしの生きてきた中でこんなに沢山の不良に囲まれたのは人生初の出来事



面白そうににやにや笑うもの、まるで動物園の猿でも見る様に遠巻きに見るもの




そんな沢山の人の視線を一身に浴びながら目の前の男に視線を移した



「・・で？聞きたいことって？」



「あんた、一体どんな手を使った？」



「・・・は？どんな手って・・・一体どういう「はっきり言わねえとわかんねえみてえだな」




取り囲んでいた他の男の声があたしの声と重なる



その茶髪の男はだるそうに煙草を吸いながら話し出した