激愛
「こいつが言いてえのはあの気難しい龍さんをどうやって口説き落としたのかって聞いてんだよ」




く・・・口説き落としたって・・・



あたし口説いた覚えなんてこれっぽっちもないんですけど



むしろ姫になったのは契約?ってことだから・・・・まあこれは龍さんと総長の矢島さん
喜一くんと信吾君しか知らない事実




他の人には言うなって厳命されてるからいくらメンバーと言えど言えないんだけど・・・



「俺たちは龍さんを尊敬してるし崇拝してる・・・」




赤い髪の男はそう呟くとあたしを睨んだまま再び口を開いた



「その龍さんが姫を・・・龍姫が出来たって言い出した、いままで姫がいなかった神龍にだ」



そう言い放つと掴んでいた腕を離す・・・・身体をどんっと押されてあたしはその場に尻餅をついた




「どんな手を使って龍さんに取り入ったか知らねえが俺はお前を認めない!別に女に頼らなくても神龍は龍さんを頭に強くなれる・・・・」



「お嬢ちゃん・・・どうせその綺麗な顏と体で誘惑したんだろうが女なんてそんなもん俺たちのチームには無用の長物なんだよ」




吸っていた煙草を足で踏んで消すと尻餅をついて座り込んだままのあたしの前に茶髪の男はしゃがみ込んだ



「まああんた美人でなかなかいい女だしどうしても相手してほしいってんなら俺が一晩相手してやってもいいけど?」




耳元でそう呟くと頬をするりと撫でる、ぞくりと悪寒があたしの背中に矢のように走った
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