激愛
「ふっ・・・そのメットなかなか似合うじゃねえか」



「龍さん・・・・あのね、「俺は本当は今でも竜谷に行くことは反対だ」



龍さんの言葉があたしの声と重なった



いつの間にかあたしの手を握りしめていた龍さんの手



ひんやりとした冷たい手がぎゅっと力を込めたのがわかって何故だか胸がきゅんとなった




「断ってもいいんだぞ・・・お前が考えてるより竜谷の奴らは何するかわかんねえし手に負える奴等じゃねえぞ」




「龍さん、それでもあたし行こうと思ったの・・・あたしも神龍の一員なんだとしたら何かの役に立ちたい」



「瞳・・・・」




「総さんと朱実さんって人との間になにがあったかは皆が色々話してるから薄々想像がつくけどこんな女のあたしでも何か出来るんだってことを証明したいの・・・・」




女にも色々な種類の女がいる・・・そんな嫌な女ばかりじゃないんだってことを神龍のメンバーにわかって欲しい




そんな思いがあたしの中に芽生え始めていた



「こうやって出会えたのも何かの縁だと思うし・・・人の気持ちを変えたいと思うのなら自分から進んで動かないと何も変わらないと思うの、だから・・・」




「わかった・・・・そこまで言うなら俺は何も言わねえ、ただ俺は何があっても瞳の味方だからな」




握りしめていた手を反対の手でポンと叩くと苦笑いを浮かべていた

< 197 / 538 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop