激愛
そう思わずにはいられなかった



あんなに仲が良かった父と母



母の誕生日には必ず花を買ってきてくれた父



料理上手なお母さん



毎日お父さんのお弁当を朝早く起きて作っていたお母さん




「これからは単身赴任だからお弁当作らなくてすむから楽になるわ」




そう言いながらもどこか寂しそうなお母さんにあたしの胸がちくりと痛んだ




お父さんはといえば毎日あたしの学校でのこと友達のことをとても聞きたがった




「仙台に行ったらお前の学校でのこと聞けなくなるんだな」




寂しそうにそう言っていたのを覚えている



「でもまあ・・・電話もメールもあるし東京と仙台なんて近いから逢おうと思えばいつでも逢えるな?」




そう言いながら父はやんわりと微笑んだ



寂しそうな父の顔にまた、あたしの胸がちくりと痛んだ




それは父が仙台に行って一年後、あたしが小学二年生の夏休みを間近に控えた夏の日





学校から帰って来たあたしに母が何気なく言った一言から始まった
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