激愛
「お母さんが少し落ち着いたから部下に頼んでみててもらってるから心配はいらないよ」



「あ・・・ありがとうございます」



ぺこりと頭を下げると荒木さんは再び笑みを浮かべていて・・・



あたしは取りあえずお母さんが無事だと知りほっと胸を撫で下ろした



てっきりあたしが気を失っている間に警察に連れて行かれたんじゃって思っていたから・・



「今、ナースステーションに寄って来たんだけどお父さんのことは心配いらないよお母さんに刺された傷はそんなに深くはなかったらしい・・・・何針か縫ったらしいけどね」




「そうですか・・・・でもよかった」




荒木さんの言葉に再び胸を撫で下ろすあたしがいた



お父さんが浮気をしてお母さん以外の人を好きになった、そう聞いた時に感じた嫌悪感



咄嗟に許せないって感情が全身を駆け巡ったけど・・・・




こんなことになってもお父さんのことを嫌いになれないあたしがいる



刺されたと知った時、お父さんがこの世からいなくなる恐怖感の方が強かった




人間ってなんて身勝手なんだろう




大事なものが傷ついてようやく大切さがわかるなんて・・・・




そんなことを思いながらお父さんの寝顔をじっと見つめていた
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