激愛
そっとあたしの手を取ると手のひらに置かれた青いピアス


綺麗・・・・これなんて石なんだろ



海のように深い青い石のピアスを一目見て気に入ってしまった



「ラピスラズリ・・・・」



「え・・・・?」「その石の名前だ・・・・瞳を邪悪な者から守ってくれる」



龍さんはあたしの頭をそっと撫でると優しい笑みを浮かべて呟いた




「肌身離さず付けてろ・・・・いいか?何かあったら叫べ」



「叫べ・・・?」



「そうだ・・・どこに居ても俺がすぐ駆けつける、いいな?」



どこに居ても駆けつける・・・・その言葉に黙って頷くあたし



どこに居てもってのは流石に無理かもしれないけど龍さんならそれが無理じゃないってことを思ってしまうのは何故だろう



龍さんが傍にいてくれるみたいで安心するかも・・・



でも、本当にこのピアスあたしがもらってもいいの?大事なものなんじゃ



「龍さん・・・こんな高そうなピアスあたしが貰っちゃってもいいの?」



「瞳にやるよ、もし無くしたらきちんとバイト代から引いてやるから心配すんな」




さらっとそんなことを言う龍さんに思わず苦笑い



あたしは自分の耳にそっとピアスを付けると龍さんの視線を痛いほど感じて妙に恥ずかしかった


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