激愛
刺されたのは事実だから奥さんの事訴えることもできますよ



「そう言ったんだけど瞳ちゃんのお父さんはこのことを大事にはしてほしくないみたいでそっとしておいてくれって言われたよ」



荒木さんはそう言って苦笑いを浮かべた



結局お父さんは荒木さんに離婚のことのみを頼んだらしい



数日後荒木さんが来てあたしの親権のこととか今後のことをお父さんとお母さんを交えて話し合った



お父さんは仙台に新しい奥さんと生まれてくる子供もいる



あたしがお父さんのところに行けばお母さんが一人になっちゃう



そう考えたあたしは頑としてお母さんと一緒にいるということを譲らなかった




お父さんはあたしのことを心配して仙台に連れて行きたかったみたいだけど・・・・




結局今の自宅を売り払いお母さんとあたしは小さなアパートに移り住むことになった



何かあればいつでも仙台に来い!お父さんがそう言ってくれたのがせめてもの救いだったかな




お母さんはと言えば事件のことはあまり記憶が曖昧みたいだったけど徐々にではあるがいつものお母さんに戻りつつあった



そんなあたしは新学期も始まりお母さんとふたり小さなアパートでの暮らしが始まった




昼間は荒木さんの所に働きに行き夜は週何回か居酒屋で働く日々のお母さん





夜と昼間も働くお母さんの身体のことが心配だったけどあたしもお母さんの負担が少しでも減るように家事を頑張る日が続いた








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