激愛

「へえ～翼がそんな顔するなんて俺初めて見たかも・・・？ところで感激の再会のところ申し訳ないけど君たちの訪問の目的をまだ聞いてないんだけど？」



それまで黙って見ていた茶髪の髪を結わえた男が口を開いた



その表情からはまだ警戒心が抜けていないのか笑顔を浮かべてはいるが目は笑ってはいない




まだお前たちのことは信用してはいないぞ・・・そう言われているようで少し緊張感が走った




「俺は黒薔薇のリーダー翼の側近中村航・・・お前たちが偽名を使って転入してきたことはもう調査済みだ」




「へえ～仕事がお早いことで、まあ偽名位じゃ誤魔化せないってことくらい思ってはいたけど」




秀一君はにやりと笑みを浮かべると側近の中村君をちらりと見る



そうだよね・・・変装しているわけでもないしばれるのは時間の問題



でももしかして秀一君わざと・・・？



「ふっ・・もうひとつ、そちらの姫があの葛西龍一の女だということも調査済み」



あたしの方を見てそう呟く彼の射抜くような瞳に背筋がぞくりとなった



この人・・・・あたし達を疑ってる？そんな時つーくんの声が耳に響いてくる



「瞳・・・・本当か・・・？」



「あ・・・あの」




つーくんが側近である中村君の言葉に動揺しているのがわかる




あたしはどうしていいか分からずおろおろと動揺するだけでその場に固まっていた