激愛
秀一君があたしの耳元でそっと呟いた



「龍兄が来てる・・・すぐ傍のコンビニで待ってるって」



え?龍さんが?




あたしの胸が妙にざわざわしてどきりと波打った



これはなんだろう、病気なんだろうか?



ドキドキ感が止まらない



「どうしたの?瞳、とりあえずもう行くわよ」



「あ・・・・うん、でも」



あたしはつーくんが気になって何気なく振り返ると沙耶さんとツーショットで並んで立つ二人が見えた



なんだかとってもお似合いで絵にかいたような二人



美男美女で入る隙なんて到底ないようなカップル



いくらつーくんと幼馴染でもあたしがいれば沙耶さんだっていい気分はしないだろう



あたしはにっこり微笑むとつーくんに向き直ってさよならを告げた



「つーくん、あたしもう行くね・・・・」




「瞳・・・もう行くのか?」



「う・・・うんお迎えも来てるし「俺に何か聞きたいことがあったんじゃないのか?」」




何処か淋しげな表情のつーくんがぽつりと呟いた




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