激愛
知らず知らずのうちに唇が弧を描く



GPSで始終監視されてるなんて知ったら嫌だって思うのが普通



それを知ってあたしは何故嫌だと思わないんだろう



それはたぶん龍さんだから・・・?もし他のひとが監視していたらあたしは絶対拒否反応を示すだろう




この気持ちがなんなのかはまだ解らないけど・・・・



そんなことを思いあぐねていると再び秀一君の声



「あ~あ瞳ちゃんにそんな顔されちゃたまんないねえ、普通GPSで監視されてるなんて言われたらドン引きするのが普通なのに・・・・まあそこが瞳ちゃんのいいところなのかな」



「しゅ・・・秀一君!なんか褒められてんのかけなされてんのかわかんないし!」




「瞳ちゃん、そんなに怒んないでよ~それよりなんかお腹空かない?みんなで何か食べてこうよ~」




「却下、今は瞳と一緒に居るところを他の奴らに見られるのはまずい・・・余計な敵を増やしたくねえ」



足を組んで腕組みをしながらそう答える龍さん



素直にあたしのことを考えてくれてるんだ、守ろうとしてくれてるんだって思ったけど・・・




皆で食事したかったな、なんて単純にそう思った




そういえばお腹空いちゃったし・・・・あっ!そうだ!外食が駄目なら・・・



「あたしの家でよければ何か食べていかない?簡単なものでよければあたし作るけど」





この何気ない発言により急遽矢追家での晩餐が決定したのは言うまでもない



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