激愛
「なんで黙ってた・・・?」



「え?なんのこと?「お前の親父さんの転勤のことだ・・・」



お父さんの転勤・・・・忘れてたわけじゃないけど龍さんたちに家庭内のことまで言わなくてもいいかなって思っただけだし



それに黒覆面のこととか色々忙しかったし言わなくてもいいかなって思っただけなんだけどな



「瞳、親父さんが転勤になるってことはこのマンションに一人になるんだろうが・・・」



「うん、そうだけど?来週から一人暮らし・・・あっ、家事全般は大抵出来るからなんの心配も「俺はそんなことを心配してんじゃねえ!」」



龍さんの大きな声がリビングに響く



あたしはお盆に乗せたコーヒーをそっと置くと龍さんの向かい側に座った




「龍兄~そんなおっきな声出したら瞳ちゃんびっくりするじゃん、あのねえ瞳ちゃん龍一が心配してんのはこのマンションに瞳ちゃんが一人になるってことを心配してんのよ」



一人になるって・・・・だってこのマンションセキュリティ結構ばっちりだし大丈夫だと思うけど



今までだって夜一人だったことは何度かあるから心配いらないと思うんだけどな



「大丈夫なのに何心配してんだって顔してんな?」




「へ・・・?」  「瞳が今何考えてっか分かるぞ、俺をあんまり甘くみるなよ」




煙草を灰皿でもみ消すとちらりとあたしの顔に視線を移した




頭の中まで見透かされてるようで恥ずかしさが込み上げる、その時突然インターホンが部屋に鳴り響いた




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