激愛
「あ・・あのりゅ・・・龍さん?」



「答えろ!隼人って誰だ?瞳の男か?「お・・・男?そんなんじゃ」




「瞳ちゃん呼び鈴鳴ってるよ、出た方がいいんじゃない?龍兄もそんなに興奮しないでさ~」



秀一君があたし達の様子を見て二人の肩をぽんと叩いた



目の前の龍さんはまだ納得がいかないのか舌打ちをすると再びソファへと戻って行く



あたしは溜息をつくと玄関へと走ってドアを開けた



目の前にいたのはがっちりした体のあまり背の高くない30代位の男性



清潔感ある好青年って印象の彼、だけどきっちりスーツを着こなして胸に隼人を抱く姿は違和感を拭えない



片手に畳んだベビーカーを肩にかけて額には薄ら汗を浮かべていた



「はじめまして・・・私、鮫島裕樹と言いますあの~もしかして瞳さん?ですか」




「はい、はじめまして矢追瞳といいますあ・・・あの立ち話もなんなんでどうぞ」



あたしは玄関にスリッパを並べるとちらりと隼人のほうを見た



鮫島さんは真っ先に隼人を自分の胸から降ろすとよたよたと歩き出す



あたしに向かって歩いてくるその姿は無条件で可愛い



あたしの足をがっしり掴むとくりっとした目を向けて上を見上げた



にっこり微笑む隼人にたまらず抱き上げるあたし



きゃっきゃとあたしの頬を叩く隼人を胸に抱きリビングへと足を進めた
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