激愛
リビングへ隼人を抱っこしていくと一気に集まるあたしへの視線



隼人とあたしを交互に見つめるふたりの視線に身体に穴が開きそうだ




あたしは隼人を抱っこしたままソファへと鮫島さんを案内した




テーブルを挟んで龍さんの目の前に座った彼は龍さんと目が合うとびくっと肩を震わせた



な・・・なんて目で見てんのよ!まるで食い殺すような目してんじゃない



鮫島さん怯えてるし・・・・一体なんだっていうのよまったく・・・



あたしは隼人を抱っこしたまま淹れたばかりのコーヒーを注ぐと彼の前に置いた




「あ、あのどうぞ、よかったら・・・・ミルクとお砂糖は」



「ああいらないです!ブラックでいいんで!すみませんありがとうございます」



彼はポケットからハンカチを取り出すと汗を拭いてそう答えた



「えと・・・・今日はなんで隼人と?もしかして美由紀さんの身内の方ですか?」




「いや、美由紀とはついこの間まで付き合ってたっていうかもう別れたんですけどね」



この鮫島さんの話によるとこの人はお父さんと別れた後美由紀さんが働いていた居酒屋の経営者の息子さんらしい



仕事場で知り合って付き合い始めたらしいのだが彼女の我が儘っぷりに別れることにしたんだとか





「それで今日伺ったのは隼人君のことで・・・・」




鮫島さんはあたしの腕に抱かれた隼人を見つめると話を始めた
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