激愛
車はいつの間にか繁華街を通り抜け大きな通りに出ていた



どれくらい走っただろう、気か付けば古民家風の居酒屋のような建物の前に車は横付けにされた



え・・・もしかしてここ?



ドアの前には準備中の札がぶらさがっていて人影はなく周りには住宅街が広がっている



こんなところに居酒屋があったなんて・・・・



あたしがきょろきょろしていると既に外に出ている龍さんから声がかかった



「おい、着いたぞ早く降りろ・・・」  「あ、うん・・・でも龍さんまだ準備中って」



「あ~大丈夫だ、いいから入れよんなこと心配しなくてもここはいいんだよ」



そう言いながら車を降りるのであたし達も車を降りた



運転手さんは暗黙の了解なのか後ほど参りますと龍さんに告げると走り去っていく




あたしは隼人をそっと抱きかかえると準備中の札がかかっている店に龍さんと入って行った



中は思っていたよりも広くて綺麗



テーブル席が何席かあり奥にはお座敷も見える



カウンターに目をやると20代半ば位のイケメンのお兄さんが忙しそうに働いている



ぱっと見た感じホストに見えないこともないくらいのイケメンさん



あたしと目が合うと手を振りながらにっこりと微笑み返した



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