激愛
「まあ、あいつはあいつなりに色々ある訳よ」




「色々・・・・ですか?「財閥の御曹司も楽じゃないってことかな?」




あたしの言葉に重なるように苦笑いを浮かべている孝太さん



俺様な態度な龍さんに普段接しているのですっかり忘れてるけど彼は森田財閥の御曹司




一般庶民のあたしにはわからない苦労があるのかな



でも、そうだよね考えてみればあんな高級マンションにまだ高校生の龍さんが一人で暮らしてること自体庶民には考えられない



普通は家族と一緒に暮らしてそこから通学するのが普通



離れて暮らしている理由はわからないけどそのことをあたしから聞こうとは思わない



触れてはいけないことのような気がするから



あたしも龍さんに家族のことは詳しくは話してないからお互い様・・・



龍さんが話したいと思うときに話せばいい



お互いの心を寄せあった時に話してくれれば・・・・そんなことをふと思っていると人の気配




食べ終えたスプーンを置いてコップの水を一口含むと背後から低~い声



「行ったまま帰って来ねえと思ったらお前はなにしてんだ?」




「あ・・・龍さん、あはは」





ぎぎぎぎっと凝り固まった首が回るような音がしたかも?黒いオーラの龍さんが立ちはだかっていた



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