激愛
「龍、そんなに怒んなよ瞳ちゃんがちょっと傍にいないからってそんなに拗ねんな」



「拗ねてねえし・・・・つうか、隼人も寝ちまったしそろそろ帰るぞ」



「あ~ごめん!隼人すっかり寝入っちゃったんだ」



「ああ、奥の座敷で爆睡状態・・・・ありゃあ当分起きねえな」




くすくす笑う龍さんを横目にあたしは奥の座敷に急いで駆け込んだ



何故なら一人で寝ている時は決まってすぐ起きて泣き出す時が多いから・・・



だけど不思議なことに龍さんが寝かしつけると爆睡することが多いと知った今日この頃



本当に不思議・・・・何か特別なコツでもあるんだろうか



ついこの間まで誰かが添い寝していないと絶対寝なかったのに



背後からの視線を感じながら隼人のもとへ駆け出したあたしにふたりの会話は聞こえない



何かを話してることには気付いていたけれど・・・・そんな会話が繰り広げられてるなんて
思いもしない・・・



「龍、お前本気なのか?「あ?本気ってなんのことっすか」



「瞳ちゃんのことだよ、今まで遊んできた一晩限りの女とは訳が違う・・・・」


「孝太さんは何が言いたいんっすか!」



「何が言いたいかって?あの子の瞳は濁ってない財閥の御曹司だからとかそんなことで媚を売ったりもせずまっすぐだ・・・・今日初めて逢ったがお前が気に入ってんのがすぐわかったよ」



龍・・・・お前あの子に惚れてんだろ?




孝太さんが問いかけたこの言葉がその場の空気を一瞬にして変えていた
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