激愛
「粥・・・・出来たぞ!なんだよ瞳も腹減ったのか?生憎隼人が食う分しか作ってねえし」



「・・・・は?っていうかあたしあんまりお粥って好きじゃないからいらない!」




お腹が空いたって顔に書いてあったのかな?



思わず恥ずかしくなってぺろりと舌を出すとあかんべーをした



「可愛くねえな、それよりも俺たちも隼人に食わせたらピザでも頼むか?外に食いに行くわけにもいかねえだろ?」



「そうだね、あっそうだ!あたし何か作ろうか?」




「あ~いい・・・お前も疲れてるだろ?無理すんな、ピザでいいだろ?」



「あ・・・うん!でも「瞳は俺の女房でもなんでもねえんだしあんまり気使うな、そういうのちょっと迷惑っつうか・・・」




え・・・・、迷惑?今迷惑って言った?



赤ちゃん用の御茶碗にお粥を盛り付けるとあたしのもとにやってくる龍さん



隣に座るとテーブルの上にそっとお茶碗を置いた



視線はあたしじゃなくて隼人に向いたまま・・・・



「今、ピザの出前電話してくる・・・・」




そう呟くと受話器片手に電話を始めた龍さん



迷惑って言葉の裏に隠された龍さんの苦しげな表情が時折見え隠れする





そんな龍さんを見てなんだかとても胸が痛くなった、悲しくなった




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