激愛
お粥をなんとか食べさせると薬を隼人に飲ませる



龍さんの言葉に心が折れそうになったけど気にしない様になるべく平静を装った



あたしが無理に作ってあげるなんて言っちゃったからなのかも



そういう風に彼女ズラされるのが嫌な人いるよね



ズキンと心の奥が痛んだけどその思いに蓋をして何もなかったように振舞おう




そう心のなかで呟くと寝入ってしまった隼人を抱き上げ部屋へと連れて行った




キングサイズのベットに隼人を横たえる



ベットがかなり大きいので隼人ひとりが寝ているとだいぶ小さく感じる



あたしは部屋着に素早く着替えると添い寝をしようと思い隼人の隣に身体を横たえた




薬が効いたのかぐっすり寝入ったまま火照った頬を蒸気させて眠る姿は何処か痛々しい



あたしは隼人の小さな体を抱き寄せるとゆっくりと目を閉じた



龍さんの過去に何があったのかはあたしはわからないし聞こうとも思わない



龍さんが言いたくなったら言えばいい



食事もあたしが作ったりするのをあんまり良く思わない龍さん




春さんって家政婦さんがちゃんといるんだからお前は何もしなくていい



そんな風に言うけど・・・・ただあたしは何かの役に立ちたい!ただそれだけなのに・・・





思わず流れた涙をそっと拭うと静かな部屋をノックする音が聞こえてきた






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