激愛
「あたしと龍さんの間には何もないから心配しなくても大丈夫です」




「瞳ちゃん・・・・」




「婚約者の彼女が心配することはなにもない・・・いつでも出ていけと言われたら出ていきますから」




「瞳ちゃん、ごめん俺はただ君のことが心配で・・・しっかしあいつもまだ高校生の癖に婚約者がいるだなんてあいつの親父さんは一体何考えてんだか」




森田財閥の御曹司・・・・婚約者がいるって聞いて驚いたけどやっぱりって感じがする



そう言う人が居ても当然、まあ普通の高校生だったら考えられないけど




「でも瞳ちゃん、俺はさああいつが瞳ちゃんに惚れてるような気がして仕様がないんだよ」




・・・・・え?あたしに惚れてる?龍さんが?



そんなの嘘!だって龍さんには心に思ってる人がいるはず



総一郎さんがどうしてそんなことを思うのかわからないけどそれは憶測にすぎない



あたしの思いをよそに隣を歩く総一郎さんは言葉を続けた




「あいつの家も色々複雑だからさ、財閥の御曹司と言っても聞こえはいいが抱えてる物も大きいし瞳ちゃんが支えてやって欲しいんだ・・・・あいつの癒しになって欲しいんだよ」



いつの間にか到着していたマンションの前で立ち止まりそんなことを言ってきた総一郎さん




あたしの頭をくしゃりと撫でるとにっこりと微笑んだ
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