激愛
「俺はこれでも森田の跡取りだ、子供の頃から英才教育されて色んな勉強をさせられて親父に叩きこまれた・・・・裕福だから手に入らないものなんてなかった、だけどその反面諦めてきたものも沢山あった」




「諦めて来たもの・・・・?」




「友達、惚れた女・・・・特に女には気をつけろ友達は選んで付き合えってうるさかった正直森田の名前に寄ってくるやつのほうが多くてな、女もそれで嫌いになった」




抱きしめたままあたしの髪を撫でながら話を続ける龍さん



でもこんな話をするのはどうして・・・?




疑問を抱えながらも無意識に龍さんのシャツを握りしめていた




こんな風に話をしてくれるのがなんだかとても嬉しくて・・・・




龍さんの心のなかに少しでもあたしが入り込んだような気がしたと思うのは思い過ごしかな




このまま時が止まってくれたら・・・・




「女は嫌いだったはずなのに、いつの間にか俺の心の中に住みついて離れない奴がいる」




抱きしめていた腕をそっと離すと食い入るようにあたしを見つめる瞳




視線をはずすことなく見つめる龍さんに緊張が走った





住みついて離れない奴って一体誰のこと?隼人を抱きしめる手に力を込めた
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