激愛

「メンバーの一人がよくあらわれるという繁華街で待ち伏せしてたらしいんだ、その時に黒覆面の頭らしいやつに喧嘩を吹っかけたらしい思わず掴んだ腕があまりにも細くて華奢でその時咄嗟に女だって確信したらしいんだ」



「細くて華奢・・・・」




「そうだ・・・・まあその後情けねえことにすぐねじ伏せられたらしいがかなり武道の類に精通しているらしいってそいつは言ってた、だが問題はその後だ」




「その後・・・・？何かあったの？」




何時になく真剣な眼差しに嫌な予感がして少し身構えながら話を聞く



私は傍らに座る無邪気な隼人の小さな手をいつの間にかそっと握りしめていた




「そいつが帰り際にぼそっと言ってたらしい・・・神龍の総長さんの大事にしている宝物せいぜい傷つけられないようにしろって」




宝物・・・・大事にしているもの？



龍さんの大事なものってもしかして・・・



「俺の大事なもの・・・・瞳のことを狙っているのかもしれねえ！だから清風に戻って来いって言ったんだ」




「龍さん・・・・それはあたしじゃないのかも「俺と瞳が一緒に住んでるのを世間に知られるのも時間の問題だ、この俺が自分のテリトリーに入れた初めての女大事なものだって言ってるようなもんだろ？」




溜息をついて何処か遠くを見つめたあとあたしに再び視線を移すと龍さんはゆっくりと口を開いた




今日竜谷のトップに話をしに行く！、まさかの展開に驚きを隠せないまま時間だけが無情に過ぎて行った