激愛
「・・・・で、この際はっきり言わせてもらうけど瞳さんにはこの婚約式が済んだらここを出て言ってほしいの」




婚約式が済んだらここを・・・?




龍さんのマンションを出ていくの?



隼人を抱きしめる手に思わず力を込めてしまう



龍さんとの繋がりがぷっつりと途絶えてしまったように思えてじんわりと涙が溢れそうになる




そんなあたしに追い打ちをかけるような言葉が更に浴びせられた




「悪いとは思ったけど瞳さんのこと少し調べさせてもらったわ・・・・覚えてる?義理の母親の連れ込んでた男のこと?」




・・・え?どうしてそれを?




どうしてそのことを響子さんが知ってるの?



頭の中をにやついた男に組み敷かれた場面がフラッシュバックされる



未遂に終わったもののあの男の感触は今でも覚えている



ざわっと体中の神経が緊張感に覆われて震える肩をそっと抱きしめると響子さんの話に耳を傾けた




「義理のお母様だった人の行方はわからなかったけど連れ込んでた男のことはすぐわかったわ
最低な男ね?お金を握らせたら色々なこと話してくれた、瞳さん?あなた義理のお母様の連れ込んでた男を誘惑してたんですって?」




あなたって大人しそうな顔してたいした女ね?ふっと鼻で笑った響子さんはぞっとするほど怖くて美しかった





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