激愛
「あなたのような女が龍一さんの傍にいていいと思ってるの?」



え・・・・?それってどういうこと?



「汚らわしいって言ってんのよ!ねえ?はっきり言わないとわかんないわけ?」



突然声を荒げた響子さんに驚いて目を見開く



汚らわしい・・・・・面と向かってそんなことを言われたの初めてだ



響子さんの口からそんな言葉が出ると自分が凄く薄汚れているように思えてならない



そんな何も言えずに黙ったままのあたしに向かって痺れを切らした彼女が追い打ちをかける様に言葉を放った




「このことを話されたくなければ婚約式が終ったら直ぐにこのマンションを出てってくれないかしら?しばらく学校も休学して何処か龍さんの目の届かない所に行ってほしいの」




「きゅ・・・・休学ってそんな!」




「まあ、ほとぼりが冷めたらあなたのこともすっぱり忘れるだろうからそれまでの辛抱よ!」




そう言い放つと目の前にどさっと置いた分厚い封筒



中からは一万円札が沢山見え隠れする




もしかしてこのお金をやるから龍さんの元を去れと言うの?



こんなお金で別れられるほど・・・・忘れられるほどいい加減な思いではない!





お金持ちだからって、お金でどうこう出来ると思ってるなんてあたしの思いはそんなに薄っぺらじゃないもの




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