激愛
「なんでお前がここに居る?」



「なんで?おかしなこと言うのね、婚約者のマンションを訪ねるのがそんなに不思議なことなのかしら?」



「ちっ・・・今日は又何の用だ?銀行がどうのってまさかの手切れ金か」




「ふっ、どう捉えてもらっても構わないけど婚約者が住んでるマンションにあたし以外の女が住んでるってのが我慢ならないだけよ・・・・そのお金は引っ越し費用と思ってもらっていいわ」



響子さんは事もなげにそう呟くとちらりとあたしに視線を移した



引っ越し費用・・・?それにしても多すぎるし!



数えなくても封筒から出ている金額は明らかに百万円は超えてると思う




引っ越し費用なんて理由をつけているけどこれは手切れ金以外の何物でもない



龍さんに視線を移すと拳を握りしめ射抜くような眼差しで響子さんを見つめている




全身から怒りのオーラが溢れ出ている龍さんに思わず緊張感が走った




でも、そんな龍さんに臆することなく響子さんは近づくとそっと腕を回して肩にしな垂れかかる




上目遣いに誘うような表情を受かべて龍さんの顔をそっと見上げていた



ある意味こんな龍さんに近づくなんて彼女は本当に性根が座ってる





それとも本気で彼女は龍さんのことを・・・?
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