激愛

「いいか？知らない奴に声掛けられても付いてくんじゃねえぞ？何かあったらとにかく逃げろいいな！・・・」




くどいくらいにあたしに言い聞かせると迎えの車に乗り込み溜まり場へと向かう龍さん



「ふふっなんだか龍さんお父さんみたい」




あたしが思わずそんなことを呟くと・・・・




「あ？なんだと？！人がこんなに心配してんのに・・・・ったく良いか瞳！俺はお前の親父なんかじゃねえぞ親父だったらこんなこと出来ねえだろうが？」




そんな捨て台詞を吐いて軽く唇が触れるとリップ音を響かせて行ったあたしの愛しい人



どんな行動も言動もすべてが愛おしいと思えてしまうのはたぶんあたしが好きで好きでたまらないから




「隼人・・・・もうすぐ護衛の人が来るみたいだし外で待ってようか？」




あたしの声に反応した隼人はやっと散歩に行けると思ったらしくにっこり微笑む




お気に入りの靴を履かせて帽子をかぶりベビーカーに乗せると準備万端




夏を思わせるような陽気に誘われてこうして外に散歩もたまにはいいかも




龍さんが心配するようにあたしも龍さんに何かあったらと思うと気が気ではない




龍さんの身に危険が及んだら？そう思うだけでいいようのない不安が押し寄せて心が震えた