激愛
「こんな小さな子供の細い首なんてちょっと力を加えたらすぐ折れちゃうよね?痛い目にあいたくなければ大人しく言うこと聞くのが得策だと思うけど?」




喜一君は金色の髪を掻き上げながら泣き叫ぶ隼人の顔をちらりと見た



この人は本当にあの喜一君なんだろうか・・・・



もう一人の別人ってことはない・・・・よね?




それくらい違う人に見える彼は紛れもなくあの神龍の喜一君らしいのだ




黒覆面の集団・・・黒づくめの服を身にまとったメンバーに抱かれる隼人




泣き叫ぶ隼人を見ていられなくてあたしは黙って頷いた




「要求を呑むから・・・・隼人を離して」




「物わかりがよくて助かるわ、無事に婚約が整ったら解放してあげるからそれまではこの別荘の敷地内だったら何をしても構わないから足りないものがあるのならすぐ連絡して?このメンバーに言えば取り計らってくれるから」



響子さんはそう呟くとにやりと口角を上げて笑いながらこの場を後にする



かたや喜一君は黒覆面のメンバーに耳元で囁くとあたしの鎖をそっと外した




まさか黒覆面のリーダーが喜一君だったなんて・・・・



それを後押ししているのが龍さんの婚約者の響子さんだったなんて




こんなことをして龍さんの心を得られると思っている響子さんがなんだか哀れに思えてならなかった
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