激愛
「あ・・・あのあたし・・・」




そう言いかけた途端頬を思いっきり叩かれた



唖然として見つめていると再び叩かれるあたしの頬



女は息を切らしてあたしを見つめていると男の方に目を移した




「あたしが居ない時にふたりでなにやってんのよ!いい加減にしなさいよ!ねえわかってんの?」




「美由紀~俺が惚れてるのはお前だけだっていつも言ってんだろ?今日はたまたまこいつが
物欲しそうに誘惑してきたもんだからつい・・・な」



ちらりとあたしの方を向いて男はそう言い放った



はあ?誘惑ってなによ?あんたが急に抱きついてきたくせに!




ふざけんな!もう頭に来た!



あたしは今までの思いをぶつけるかのように思いっきり彼女の頬を叩く



呆気に取られている彼女を後にしてあたしは家を飛び出した



あたしはあいつに殴られていても蹴られていても一度だってやり返したことはない



一応あんなんでも義理とはいえ母だから・・・・




そう思ってきたのに・・・・時が来れば分かり合えると何処かで信じていたからこれまでやって来れたのに




いつの間にか流れる涙を拭いながら繁華街へと足を向けていたあたし




龍一との出会いはすぐそこまで来ていたなんてこの時のあたしには思ってもいないことだった
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